発電・送電

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さて、ここからがいよいよサニックスエナジー苫小牧発電所での仕事です。
運搬されてきたプラスチック燃料は、発電所の敷地内や隣接するストックヤードに保管され、適切な管理を経てボイラーに投入されます。

サニックスストーリー

世界初プラスチック燃料専焼のサニックスエナジー苫小牧発電所の運営を開始するに当たり、最初にぶつかった大きな壁は、本州での排出事業者様から収集し、加工・製造したプラスチック燃料を北海道内に運び込めないといった事態でした。廃棄物由来の燃料を道内へ運び込むといった前例がなく、廃棄物が燃料になるということについて、多くの方の理解をなかなか得られず、道外からの燃料を搬入するにあたり様々な条件を課されることとなりました。そしてその内容を、プラスチックを排出される事業者様を1社1社訪問し、理解を求める活動を行いました。そうした努力と各自治体との話し合いを積み重ねた結果、必要な燃料を搬入することができるようになりました。

また、そうして搬入してきた燃料に関しても、廃棄物由来のプラスチックのみで発電するという前例のない手法であるため、多くの課題に見舞われました。廃棄物由来のプラスチックであるため硬さや大きさに統一性がなく、ボイラーに吹き込む前に細かく整粒する工程において、破砕するのが難しいプラスチックをどのように処理するかといった課題の解決に多くの労力を注いできました。更に、その前処理工程で破砕された燃料が、ボイラーに送られる搬送設備の中でトラブルが起こらないようにどのような状態で送ればよいかということも大きな問題で、この点についても燃料製造工場との協議を重ね、燃料の破砕や整粒の方法に改善に次ぐ改善を積み重ねて参りました。また、発電所自身でも様々な改善を重ねてこうした課題を解決してきております。そして燃料に関してもう一点、安定操業の実現に大きく立ちはだかってきた課題の一つが、燃料の発熱量の問題です。素材の異なるプラスチックは燃焼時の発生する熱量に差が生じるため、これをどのような方法で均一化するかが大きな課題でした。現在では今までのノウハウを踏まえて、様々な工場で製造された燃料の配合等を工夫することで、できる限り燃料の発熱量を均一化させた運転を行っています。

サニックスエナジー苫小牧発電所では、世界で初めてのプラスチック燃料専焼の発電所として、こうした多くの課題に正面から取り組み、それらを解決しながら操業開始から15年の年月を積み重ねて参りました。再生可能エネルギー事業に代表されるように、既存の化石燃料や原子力エネルギーだけに頼らない新たなエネルギー事業の発展が不可欠な社会において、サニックスエナジーはより一層の飛躍を目指して参ります。

 

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